エゾイソチドリガイ(カツラガイ科)
Tricamathina nobilis (A.Adams, 1867)
△ 殻はうすく、うずを巻いておじぎをしたような形が特徴の巻き貝です。 △ この貝の形から、成長するにつれ先がすぼんで丸くなったように思うかもしれませんが、実際は逆です。殻は △ 背中に残る二本の線は、生きていたとき厚い ☆ 東北地方~北海道、千島に分布。 ☆ 水深15~350mに生息。 |
△ チューブ状の巻き貝。この貝にはフタがありません。 △ 殻の表面には、ウロコ状になった △ 石や貝殻などにくっついて成長するため、接着している面は平らですが、巻き方が不規則で全体の形は一定ではありません。 △ 動くことができないので、チューブの先からネバネバした糸をクモの巣のように出し、かかったエサをたぐり寄せて食べています。 ☆ 北海道南部以南~九州、および沖縄。中国大陸沿岸に分布。 ☆ 波打ち際~水深約10mの岩や石などに付着。 |
△ 殻はややふくらんでいて、厚みがあります。 △ 殻は後ろに向かってくちばしのように細くなり、はしは直線状です。 △ ☆ 日本海。房総半島~オホーツク海に分布。 ☆ 水深約100~400mの、砂や泥の底に生息。 |
△ 殻は一個だけで見ると、 △ 左殻全体を岩や石、貝殻、かたい土などに付着させて成長するので、形は周りの形状に合わせて変わります。 △ 写真のカキはたくさんの殻が重なった状態で、まるで石ころのようにかたくなっていますが、端の方はポロポロともろくはがれてしまいます。 ☆ アジア全域の、真水と海水が混じった河口部(川が海に注ぐ場所)に分布。 ☆ 波打ち際の、海底の岩や石ころに付着。 |
△ 殻の特徴はのっぺりした半月形。左殻がほんの少しふくれています。 △ 前に寄った △ 右殻にある大きな丸い穴は、肉食の貝に食べられたあとです。 ☆ 北海道~オホーツク海、日本海に分布。 |
19世紀ごろまでは貝と考えられていましたが、今ではエビやカニと同じ 体の周りをかたい 黒松内の ほとんどの貝殻には、表面にたてすじや横すじが何本もあります。採った化石が貝なのかフジツボなのか迷ったときは、殻の表面をよく観察してみましょう。 |
サンゴは、刺胞動物の中でも、 サンゴはあたたかい熱帯の海にばかりいるとはかぎりません。黒松内の ニセサンゴの多くは小枝のような形をしていますが、その太さや長さはさまざまです。色は灰色、チョークのような手ざわりで、角は丸みをおびています。 |
ウニの仲間で、 生きているときは短いトゲがたくさんはえていますが、化石ではトゲはほとんどとれてしまいます。 殻がうすく、形もひらべったいカシパンウニはこわれやすく、 |
黒松内 ウニの殻は多くの四角いカケラがあつまって、丸い形をつくっています。死んでしまうとカケラ同士をくっつけているやわらかい組織がくさり、形がくずれてバラバラになるのです。 右上の写真は、黒松内市街地にほど近い山から採集された巨大なウニ。生きていた時のウニの形がのこっている貴重な化石です。 砂や泥の中を注意してみると、とても細いウニのトゲ(写真下)がみつかることもあります。たてにスジが入っていて、太い方の先が白くなめらかになっています。 |
左の写真はウニの「アリストテレスの 「アリストテレスの提灯」とは日本語の正式名称で、ウニの ギリシャの哲学者アリストテレス(紀元前382~322年)が、地中海のレスポス島で海産動物の研究中、これを発見して名前をつけました。ここでいう「提灯」とは、日本式の丸い提灯ではなく、ギリシャでつかわれていた ウニは砂や泥にもぐるタイプと、岩場にすむタイプの二つがいます。上の写真は、砂や泥にもぐるタイプのウニのもので、見つかったのは右の絵の赤丸でしめした部分のカケラです。 ふつう私たちが食べているバフンウニなどは岩場にすんでいるタイプで、この「提灯」の形もちがいます。 |
19世紀ごろまでは、二枚貝の仲間と考えられていましたが、今ではまったく別のものであることがわかっています。 殻のつけね近くにある ≪二枚貝とのちがい≫ 腕足類は、片方の殻がもう片方をつつみこむような形をしています。大きくつつんでいる方を“腹”、つつまれている方を“背”といい、それぞれの殻は左右対称です。一方で、二枚貝の場合は右殻、左殻といい、それぞれの殻は左右非対称です。 腕足類は背と腹の殻をつなぐ |
カメホウズキチョウチン Terebratalia coreanica 腹側の殻がよくふくらみ、背の中央には浅くて広いみぞのようなくぼみがあります。生きている時の殻の色は赤色。 北海道から本州中部にかけて、沿岸の浅いところから |
タテスジホウズキガイ Coptothyris grayi 形はやや円形かおうぎ形。腹・背ともにクッキリとした放射状のでこぼこがあります。 古くからホオズキガイとかヤエギクとよばれ、二枚貝の仲間にいれられていました。殻と殻をつないでいる蝶番の部分が、二枚貝とはちがっています。 北海道から九州にかけての大陸棚、特に水深100mくらいのところにすんでいます。 |
ホウズキガイの仲間 五角形にちかい形をしていますが、ブナセンター 古生物図鑑でくらべると「カクホウズキガイ」が一番近いのではないかと思われますが、まだ確定できていないため、ここでは「ホウズキガイの仲間」としました。 |
写真の白いコブのように見える部分は、石灰藻という植物の化石です。 川や海の中に生えている 石灰藻は植物なので、海水が透明であり、海岸に近い浅い所で、太陽の光をとりこみ光合成を行なって育ちます。このことから瀬棚層時代の添別川付近は、浅くてきれいな海だったことがわかります。 |
古生代から現代まで、地球上のあらゆる海域に分布しています。すでに絶滅してしまった種類もふくめて、約25万種がしられています。 水中にただよっているものと、海底にすんでいるものがあり、それぞれの種に適した水温や塩分濃度、深度、底質などの 有孔虫はいろいろな化石といっしょにみつかります。有孔虫をしらべると、いっしょにみつかった化石がどの時代に、どんな場所にすんでいたかわかるため、古生物学上とても重要な生き物なのです。 大きさは普通1㎜くらい。殻はらせん状、うずまき状、 |
はじめは石のカケラかと思いましたが、ルーペでみると先がとがり、裏と表にいくつかの丸みをおびた突起がみえました。「もしかして?」と思い、化石の研究者の方にたずねると、これはカニの爪だということがわかりました。 おそらく甲羅がイチョウの形をしている「イチョウガニ」ではないか、とのことです。 |
イチョウガニ Cancer japonicus 甲羅の直径は10㎝くらい。深さ50~100mの海底にすんでいます。 今でも東京湾以南~土佐湾でみられるカニです。 ※画像:内海冨士夫(1983)「学研生物図鑑・水生生物」p131."イチョウガニ"の図を引用 |
★小さな大発見★ 上の“カニの爪”の化石は小学6年生の児童が、またウニの項目にある“アリストテレスの提灯”は釧路から来られたご夫婦が、添別川で採取されたものです。「何の化石だろうか」との問い合わせがあり、専門家の方にお尋ねした結果、新しくブナセンターの記録に加えることができました。 その後、添別川の砂や泥を注意深く探すと、たくさんのカニの爪、アリストテレスの提灯のかけらがいくつも見つかりました。決して珍しい化石というわけではなく、あまりに小さかったり、不完全な形だったりして、今まで誰もその存在に気が付かなかったのです。 毎年黒松内ではたくさんの人が瀬棚層の化石を採集しています。よく調べて見ると、その時の砂や泥の中に、思いがけない「発見」が潜んでいるかもしれません。 |
ときどき貝化石の表面を、小さな 化石でいう『コケムシ』とはムシ自体の化石ではなく、コケムシが作った集合体の化石のことをいいます。 コケムシは岩や貝殻、海藻、船などいろいろなものにくっついて生活します。ホウキのような コケムシは多くの種類があってそれぞれ集合体の形が違っています。黒松内の瀬棚層で見つかるコケムシの形はネット状・板状・トゲ状・円形など様々です。写真以外にもいろいろな形をしたコケムシがいるので、さがしてみてください。 |