エゾイガイ(イガイ科)
Crenomytilus grayanus (Dunker, 1853)
  
△ 殻頂(かくちょう)部分はとても厚く固いので、化石として残りやすいのですが、ふちに行くにしたがってうすくなっているので、エゾイガイを完全な形で掘り出すのは難しい作業です。
△ 殻の内側には、100万年たったとは思えないほどの鮮やかな真珠光沢(しんじゅこうたく)が残っているものも多くあります。
△ 殻のふちには、ルーペで見ないとわからないような細かな刻みが見られます。
△ 殻はうすい層がいくつも重なってできています。その層のすき間に入り込んだ虫の跡や、表面にゴカイなどの寄生の跡が残っている化石も多く見られます。
△ 幼貝(ようがい)の時は、オリーブ色の殻皮(かくひ)をかぶっています。
△ 図鑑によると、エゾイガイの標準的な大きさは約7㎝。写真の貝はなんと長さ18.4㎝。これは黒松内の瀬棚層(せたなそう)で現在見つかっている最大の大きさです。

☆ 東北~北海道に分布。
☆ 波打ち際~水深約50m。海底の岩や石に足糸(そくし)で付着。


エゾヒバリガイ(イガイ科)
Modiolus kurilensis (Bernard, 1983)
  
△ 殻はややうすく、前背縁(ぜんはいえん)(写真の印)が山形となり、腹縁(ふくえん)は直線的で殻全体はよくふくらんでいます。
△ 生きている時は、後ろ部分に長い毛が生えていました。
△ 化石になると成長脈(せいちょうみゃく)が見えますが、殻の表面はほとんどなめらかです。

☆ 日本海、東京湾以北~ベーリング海に分布。
☆ 水深約100mまでの岩に、足糸(そくし)で付着。


チョウセンマユイガイ(イガイ科)
Adula californiensis chosenica (Kuroda MS.) (Habe & Ito (nov.))
  
△ 成貝(せいがい)でも、2cmくらいの殻はキャップのようによくふくらんでいます。
△ 成長肋(せいちょうろく)は盛り上がり、殻頂(かくちょう)から後ろに向かって(りょう)(山型にふくらんだ筋)があります。

☆ 北朝鮮および日本海に分布。
☆ 波打ち際の、泥や岩の中に生息。