ニシキエビスガイ(ニシキウズガイ科)
Calliostoma multiliratum (SowerbyⅡ, 1875)
  
△ 殻の表面には、細かな「きざみ模様」があります。
△ 殻底(かくてい)には全面に短い線上の斑点(はんてん)があり、うずまきの中心にある臍孔(さいこう)はくぼんでいます。

☆ 本州北部より北に分布。
☆ 浅い海の岩場に生息。


コシタカハダカシタダミ(ニシキウズガイ科)
Margarites (Cantharidoscops) frigidus (Dall, 1919)
  

△ 殻はとても小さく、表面は平らで、巻きは5層になっています。
△ 殻口(かくこう)は卵形で軸唇(じくしん)は厚く、大人の貝ではほとんど臍孔(さいこう)は閉じています。

☆ ベーリング海、北極海に分布。


エゾサンショウガイ(サザエ科)
Homalopoma amussitatum (Gould, 1861)
  

△ 成長線(せいちょうせん)螺肋(らろく)が細かく交差して、表面が縄目模様になっている小さな貝です。
△ 生きているときは暗い赤~紫がかった赤色をしており、黒松内の瀬棚層(せたなそう)から見つかる化石にもその色が残っています。
△ 内側は真珠のようにツヤツヤしているので、殻がくだけるとキラキラ光ります。
△ 殻の底の部分は平らで、うずまきの中心にある臍孔(さいこう)は閉じています。

☆ 太平洋側は千葉県銚子、日本海側は新潟県より北に分布。
☆ 波打ち際の岩や石に生えた海藻の間に生息。


タマツメタガイ(タマガイ科)
Euspira pila (Pilsbry, 1911)
  

△ 殻頂(かくちょう)がつきでた大きな卵形。
△ 殻は厚く、体層(たいそう)が殻の大部分をしめています。
△ 各層には成長脈(せいちょうみゃく)が走り、殻の底(写真の印)には小さくて深い臍孔(さいこう)があります。
△ 写真に写っている大きな丸い穴は、肉食の貝に食べられたあとです。
△ 生きている時は、殻皮(かくひ)をかぶっていました。

☆ 東北、日本海北部、北海道、千島列島~オホーツク海に分布。
☆ 波打ち際~水深約300mの、砂や泥の底に生息。


チシマタマガイ(タマガイ科)
Cryptonatica janthostoma (Deshayes, 1839)
  

△ 殻は厚く、表面はなめらかです。
△ 生きている時は褐色で、縫合(ほうごう)の下と殻の底にうすい色の帯が見られるのですが、この写真の化石でははっきりわかりません。
△ 臍盤(さいばん)(写真の印)は大きな白い半円形で、うずまきの中心には、せまく深い臍孔(さいこう)が見られます。
△ 写真に写っている貝の丸い穴は、肉食の貝に食べられたあとです。

☆ 太平洋側は東北地方、日本海側は能登半島以北、北海道、オホーツク海、千島列島に分布。
☆ 水深約20~300mの、細かい砂の底に生息


ハイイロタマガイ(タマガイ科)
Cryptonatica affinis (Gmelin, 1791)
  

△ 殻はややうすくて丸く、表面はツルツルしています。
△ うずまきの中心にある臍孔(さいこう)は、白い半円形の臍盤(さいばん)(写真の印)で完全にふさがれています。
△ 生きている時は、うすい灰色の殻皮(かくひ)をかぶっていました。
△ 写真中央の丸い穴は、肉食の貝に食べられたあとです。

☆ 駿河湾~北アメリカ西海岸、北極海に分布。
☆ 水深約50~3,000mの、砂と泥のまじった底に生息。