マシロガサガイ(シロガサガイ科)
Lepeta alba (Dall, 1869)
  

△ とても小さな笠型で、上から見ると楕円(だえん)形。
△ 殻頂(かくちょう)は前方に寄り、表面は平ら、またはとても弱い放射肋(ほうしゃろく)があります。

☆ アラスカ、オホーツク海、ベーリング海に分布。
☆ 波打ち際~水深約20mに生息。


シロガサガイ(シロガサガイ科)
Lepeta cacea pacifica (Moskalew,1978)
  

△ 殻頂(かくちょう)(写真の印)は丸まって端に寄り、放射肋(ほうしゃろく)には細かなツブツブが見られます。
△ 殻頂に穴はあいていません。

☆ 北海道東部より北の地方に分布。
☆ 水深約10~20mの岩場に生息。


ユキノカサガイ(ユキノカサガイ科)
Niveotectura pallida (Gould, 1859)
  



△ 殻は厚く、横から見ると、ふくらんだ三角形をしています。
△ 生きている時のこの貝は真っ白。黒松内の瀬棚層(せたなそう)から見つかる化石にも、白い色が残っています。
△ 殻頂(かくちょう)からは、約20本の放射肋(ほうしゃろく)が広がり、表面には細い螺肋(らろく)が見えます。

☆ 本州北部から、朝鮮半島、千島列島~シベリア地方に分布。
☆ 波打ち際~水深約20mの岩場に生息。


エゾノハナガサガイ(ユキノカサガイ科)
Erginus sybaritica (Dall, 1871)
  

△ 低い笠型の貝。ルーペで見ると、表面にはとても細かな放射肋(ほうしゃろく)が見えます。
△ 生きている時は、殻頂(かくちょう)から白とうすい赤色の線が広がる日の出模様があります。黒松内の瀬棚層(せたなそう)から採れる化石にも、赤い色が残っているものがあります。

☆ オホーツク海~千島列島、ベーリング海~アラスカに分布。
☆ 波打ち際~水深約10mに生えている、昆布などの根に付着して生息。


アイヌノハナガサガイ(ユキノカサガイ科)
Erginus moskalevi (Golikov & Kussakin,1972)
  

△ 表面は平らな、低い笠型の貝。生きている時は全体的に赤いのですが、黒松内の瀬棚層(せたなそう)から見つかった化石は、写真のように中心が白く、その周りがオレンジ色をしています。
△ 殻のヘリとその内側に、灰色の輪が見えています。

☆ 北海道南部~アリューシャン列島に分布。
☆ 波打ち際~水深約10mの、石のように固い植物(無節石灰藻(むせつせっかいそう))の上に生息。


シロスソカケガイ(スカシガイ科)
Tugali decussata (A.Adams, 1852)
  

△ 低い笠型の貝。殻頂(かくちょう)は後ろに寄っており、殻の前側は少しふくらんでいます。
△ 殻の表面には、殻頂から縦に広がる放射肋(ほうしゃろく)と丸く広がる螺肋(らろく)が交差して、布目のようになっています。

☆ 北海道南部~九州、東シナ海に分布。
☆ 波打ち際の、砂と石ころの混じった場所に生息。


コウダカスカシガイ(スカシガイ科)
Puncturella nobilis (A.Adams, 1860)
  



△ 殻頂(かくちょう)はそり返り、殻頂のすぐそば(写真の印)には細長い穴があいています。
△ 殻頂からは、太いものと細いものを合わせて30本くらいの放射肋(ほうしゃろく)が広がっています。
△ 内側には、隔板(かくばん)という小さなスリッパ型の区切りが見られます。

☆ 太平洋側では、関東地方の駿河湾より北。日本海側では、山口県の北部から北海道~千島列島に分布。
☆ 波打ち際~水深約80mの、岩場や砂と石ころの混じった場所に生息。


キタノオオコウダカスカシガイ(スカシガイ科)
Puncturella rimulanax major (Dall, 1891)
  


△ 殻頂(かくちょう)は中央よりやや前にあり、とがっていてほんの少し反り返っています。
△ 殻を横から見ると、シャープな三角形のコウダカスカシガイに比べ、殻は厚くて少しふくらんだ三角形をしています。
△ 殻のすぐそばには、細長い穴があいています。
△ 殻頂からは放射肋(ほうしゃろく)が広がり、細い放射肋も30本くらい見えます。

☆ アラスカ~ベーリング海に分布。
☆ 水深約50~100mに生息。


エゾフネガイ(カリバガサガイ科)
Grandicrepidula grandis (Middendorff, 1849)
  

△ 殻頂(かくちょう)がねじれて、うずくまったような形に見えるのが特徴です。
△ この形を見て、底の楕円(だえん)形部分から少しずつせばまりながら成長し、うずを巻いていったように思うかもしれませんが、実際は逆。先の細い部分からラッパ状に広がって成長していきます。
△ 殻はうすく、内側には隔板(かくばん)(写真の印)というスリッパのような区切りがあります。
△ 生きている時、殻は厚い殻皮(かくひ)におおわれていました。

☆ 東北地方~オホーツク海、カムチャツカ、アリューシャン列島、アラスカ地方に分布。
☆ 波打ち際~水深約10mにある、ほかの貝殻や岩に付着して生息。


カリバガサガイ(カリバガサガイ科)
Tugali decussata (A.Adams, 1852)
  

△ 殻は低く、殻頂(かくちょう)は真ん中より少しずれています。
△ 殻頂から丸く広がる成長脈(せいちょうみゃく)は、時々立ち上がり波打っています。
△ 内側には隔板(かくばん)というスリッパのような区切りがあります。

☆ 房総半島~九州地方に分布。
☆ 水深約200~300mの砂底で、ほかの貝殻などに付着して生息。


チシマフネガイ(カリバガサガイ科)
Crepipatella lingulata (Gould, 1848)
  

△ やや厚みのある小型の貝で、殻の表面には不規則な放射肋(ほうしゃろく)螺肋(らろく)が見られます。
△ 内側には隔板(かくばん)というスリッパのような区切りがあります。
△ 写真の貝の隔板は、完全な形ではありません。

☆ 北海道、千島列島、ベーリング海に分布。
☆ 波打ち際の岩場に生息。


キタノカラマツガイ(カラマツガイ科)
Siphonacmea oblongata (Yokoyama, 1926)
  

△ 楕円(だえん)形でとてもうすい殻の貝。
△ 殻頂(かくちょう)は中央にあって、螺肋(らろく)がうっすらと見えます。

☆ 東北~北海道、オホーツク海に分布。
☆ 波打ち際~水深約20mの、アマモという海藻に付着して生息。